
モデルで試すCAE、知見で試すEureka ‐R&Dに“知見駆動の試作”という戦略的選択肢を
研究開発の現場では、「試行の質」が成果を左右します。
アイデアを形にし、性能を確かめ、原因を探る――この知的で創造的な繰り返しこそが、研究開発の本質です。その合理化を長年支えてきたのがCAE(Computer Aided Engineering)です。
CAEは、物理現象を数式と境界条件で再現しモデルで試す技術として、実験の工数とコストを大幅に削減してきました。
しかし、CAEには乗り越えられない限界があります。それは、「モデル化できる現象」でなければ解析できないという前提です。
確立された物理モデルが存在しない、あるいはモデルで表現しきれない新しいアイデアや、複雑な複合反応、理論が未整備なフロンティア領域では、CAEだけでは次の一手を導き出せず、開発が停滞しがちです。
そこで、この停滞を打破するために登場するのが、Patsnap Eurekaによる「知識で試す」という新しいアプローチです。
知識で試す――Eurekaが示す新しい“試作の形”
Patsnap Eureka は、世界中の特許、論文、技術レポートを基盤としたR&D特化型AIです。研究者が自然言語で問いかけるだけで、膨大な過去の実例・理論・構造原理を解析し、「なぜ起きるのか」「どう対処すべきか」といった実用的な知見を整理して提示します。
たとえば、高エネルギー密度リチウムイオン電池を開発するチームが、新しい電極材料を試作した際に想定外の劣化に直面したケースを考えてみましょう。
Eurekaに「セラミックコーティング電極で充放電サイクルの劣化が進む原因は?」と質問すると、
コーティング層のクラック
電解液との界面反応
界面抵抗の増大
などの原因候補がカテゴリ別に整理され、関連する特許や論文がすべて出典付きで提示されます。
さらに、Find Solutions 機能を使えば、業種や分野を跨いだ知見を基に革新的で具体的な改良策をEurekaのAIが生成・提案します。この機能は、RCA(根本原因分析)やTRIZ(発明的問題解決理論)などの体系的な課題分析・発想手法に基づき、広範な知識モデルからの「知識の横展開」を促します。例えば、
ナノ粒子分散による補強技術(他分野の材料技術からの転用)
多層コーティングによる界面安定化アプローチ
高性能化に向けた半導体薄膜技術の転用(異分野技術からの類推)
CAEが「モデルで仮説を検証する」技術であるなら、Eurekaは「知識で仮説を発想し、導出する」技術です。
つまり、Eurekaは「知見駆動の試作」を貴社のR&DプロセスにもたらすAIエージェントです。
試作リスクを事前に可視化し、サイクルを劇的に加速する
試作設計に入る前に、Eurekaの DFMEA Assistant を活用することで、試作段階でのリスクと手戻りを大きく削減できます。
この機能は、試作しようとしている設計案(アイデア)を構成要素に分解し、世界中の知見に基づき、潜在的なリスク(故障モード)とその影響を体系的に抽出します。
たとえば、リチウムイオン電池の例では、試作する前に:
SEI膜の分解、電解液のガス化、封止部の劣化など、想定されるリスクを網羅的に洗い出し
各リスクのRPN値(リスク優先度)を算出
対策候補として、セラミックコーティングや耐熱電解液の導入といった具体的なソリューションを提示
これにより、「試作で何を重点的に確認すべきか」「評価すべきパラメータは何か」を事前に網羅的に把握できます。その結果、手戻りによる無駄な試作を防ぎ、試作サイクルはより合理的かつ効率的に進みます。
そして試作後には、Technical Q&A や Find Solutions が、不具合の原因探索と改良策の立案を即座に支援。従来なら数週間を要したプロセスを数時間の知的作業へと短縮します。
Eurekaは、「試作を減らす」CAEを補完し、「試作を賢くする」、すなわち、知見を解析するAIとも言える存在です。
R&Dを“止めない”ための知識エンジン
R&Dの本質は「考える → 試す → 理解し、次に活かす」の繰り返しにあります。
Eurekaは、そのループを数値ではなく知識で加速するAIアシスタントです。
CAEが物理モデルを解析するなら、Eurekaは知識モデルを解析する。
CAEが再現性を支えるなら、Eurekaは発想力と判断力を支える。
この2つを組み合わせることで、研究開発はより速く、より深く、そしてより創造的になります。
生産性と創造性の両立へ
Eurekaがもたらすのは、不具合の即時解決や試作の効率化といった単なるスピードアップだけではありません。
その真の価値は、研究開発者が最も時間を割くべき「創造的思考」「未踏領域の仮説構築」「革新的な発想の検証」といった活動に集中できる環境をつくることです。
知識の探索やリスク分析といった作業で研究開発者の手を止めさせず、思考を動かし続ける――それがPatsnap Eurekaの使命です。
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