IDEAユーザミーティング2017開催報告(2017年10月27日、TKPガーデンシティPREMIUM神保町)
2017年10月27日にTKPガーデンシティPREMIUM神保町にて、「IDEAユーザミーティング2017」を開催致しました。
当日は、170名の方にご参加いただき盛況に終えることができました。ありがとうございました。
今回のユーザミーティングでは、IDEAのクライアント企業6社の方より開発事例・推進事例について講演頂くと共に、IDEAからは「体系的開発手法 x Goldfireソリューション」の最前線の情報をお届けしました。各講演の概要は下記の通りです。
各講演の詳細については、IDEAまで別途お問い合わせください。
また、講演を頂いた企業のご担当者とのインタビュー記事を、「導入事例」ページに掲載しています。こちらも是非ご覧ください。
小林製薬における、シーズドリブンQD手法とGoldfireを活用した、日用品事業の新製品アイデア創出の取り組み
小林製薬株式会社 山中雅史様
小林製薬は、「あったらいいなをカタチにする」のスローガンの下に、医薬品、芳香剤、栄養補助食品(サプリメント)、日用雑貨品などの分野で、様々な製品を提供しており、現状の事業領域にこだわらず、より幅の広い「人と社会に素晴らしい『快』を提供する」という経営理念に基づいた事業活動を行っています。
「あったらいいな」のニーズから開発をスタートするいわゆるフロー型の開発を行っておりますが、近年、ある特定の技術やニーズから幅広い製品アイデアにつなげるストック型の開発にもチャレンジしており、2016年から株式会社アイデアの指導の下で、Goldfireを用いたシーズドリブンQD手法を社内で推進しております。
本講演では、こうした同社日用品事業部内での取組み事例を、研究開発部 新製品開発特命担当の山中雅史様よりご紹介頂きます。
TRIZ活用による既存製品における認識の再構築
水島プレス工業株式会社 鈴木孝典様
水島プレス工業は、プレス加工、スウェージング等、塑性加工の技術を中心として、「ステアリングシャフト」、「ドアヒンジ」をはじめとする自動車部品の開発、製造を行っています。
近年、進化し続ける自動車において、更なる低燃費目標による軽量化、また動力の静音化による部品間におけるガタつき低減等、各部品においても、様々な進化が求められています。
半世紀以上、自動車部品を製造してきた当社において、既存の製品に対するものづくりの考え方は、良くも悪くも大きく変化することが無く、近年におけるものづくりにおいても、新たなアイデア創出に至らず、従来の方式で何とか作るというやり方をしてきました。
そこで、株式会社アイデアの支援を受け、TRIZを核とした体系的開発手法を既存の製品に導入しました。一つ一つの部品機能及び問題点を分析し、TRIZにより創出したアイデアを落とし込むことで、部品構成の変更及び部品精度を向上させずに、大きく性能を向上させることができました。
TRIZを核とした体系的開発手法のプロセスを体感することで、数十年もの間、大きく変化することのなかった製品への考え方を大きく変えるきっかけになりました。
本講演では、こうした同社の取組み事例を、技術部 開発グループの鈴木孝典様よりご紹介頂きます。
伸和コントロールズにおけるQFD–TRIZ-シーズドリブンQDの活用(続報)
伸和コントロールズ株式会社 松田幸士様
伸和コントロールズは、様々な分野の流体制御向けのバルブをはじめとした機器事業と、半導体やFPDの製造プロセスにおける温湿度制御装置、水素ステーション用プレクールチラーなどの開発・製造を行っています。
2011年に、装置の小型化プロジェクトを成功に導いたのを皮切りに、様々な開発プロジェクトにおいてQFD-TRIZを活用してきました。
近年はイノベーション支援ソリューションGoldfireを用いたシーズドリブンQDも導入し、これまで築き上げてきた要素技術に対する市場ニーズの調査を進めてきました。
現在、主に海外の新規顧客開拓に向け、業界や顧客、競合メーカーの技術情報や、出願トレンドを調査するなどの活用をしています。
本講演では、昨年度のIDEAユーザーミーティングで講演された開発と営業の活動の変化から新たに開発したモーターバルブの開発事例を基に、新規開発への取組み内容について、開発生産本部 開発部 CF技術部の松田幸士様よりご紹介頂きます。
開発・設計事案における技術提案型ビジネス強化のための、TRIZ活用におけるシンプルな問題解決事例
株式会社創友 河野友一様
株式会社創友は、お客様の開発、設計事案に際し、その設計上の問題や製造技術上の課題等を解決するための提案型技術協力をさせて頂き、最終的に量産受託もお受けしております。様々な業種業界の事案のご縁を頂き、御高配を賜っております。
お客様の様々なニーズに提案サービスがマッチングするように、更なる『早く確実な技術解決提案』とその後の『具現化する製造技術確保』を構築するべく、TRIZの導入をしたことで、より早く、確実な提案ができるようになり、弊社としての従来の強みを更に強化させることができました。
昨年度のIDEAユーザーミーティングに続き、お客様からの設計課題を頂いたインプットに対して、どのようなアウトプットをご提示できたのかの一部事例を御報告させて頂きます。
本講演では、シンプルな解決提案の事例として、遊戯具の不正防止のためのボックス封止機構、書籍の大型配送システムにおける落丁防止という2つの事例を、同社代表取締役社長の河野友一様よりご紹介頂きます。
TRIZを含むオリンパス流科学的アプローチの推進 ~職場に合わせた“実践エキスパート”育成による自主活用促進~
オリンパス株式会社 三木基晴様
オリンパスでは、2012年から現場のニーズに合わせ、QFD、TRIZ、TM(Taguchi Method)の3手法をベースに目的別に7つのソリューションを展開してきました。技術者の『困った』に直結したソリューションは、活用場面が分かりやすく、我々推進部門の支援件数も増加し、認知度も向上しました。
次のステップとして、更なる活用拡大を進めるには、推進する我々の限られた要員では多くの技術者の要求に応えることができず、技術者自らが活用することが必要と考えました。
本講演では、その取組みについて、まずは推進メンバーが所属する製造部門を対象に現場のニーズに応えながら試行した内容について、ソリューション技術本部 ECM推進部の三木基晴様よりご紹介頂きます。
勝ち残りを目指したイノベーション早期実現のための実践的仕組みつくり
東洋ゴム工業株式会社 柏原直人様
東洋ゴムは、タイヤを主力とした商品において、「そのタイヤに驚きはあるか?」をキャッチフレーズとして、顧客感動を提供することを目指し、「ユニークな発想力、革新の技術力、常識を覆す開発」を日々追求しています。
また、自動車業界を取り巻く環境は、電動化や自動運転の革新に伴い、新たなモビリティー社会へ生まれ変わろうとする中で勝ち残りのためには、従来の常識などは何ら役に立たず、更なるイノベーションの早期具現化が必要となります。
当社は、2012年からQFD-TRIZを活用した社内イノベーション活動として体系的な仕組みの構築を進め、本年度より、「事業別から機能別への組織改正、新たな企業理念の制定、中期経営計画17の策定」という会社方針に沿って、自ら試行錯誤を重ね、技術開発において実践することで、R&D部門全体にわたる活動として横展開しております。
昨年度のIDEAユーザーミーティングでは、イノベーティブ集団への変革を目指し、調べる時間を減らす代わりに考える時間を増やすための活動をご紹介しました。