想定外に対して勇気を持って未来を創る、リスク回避の考え方
こんにちは、IDEAの緒方です。
緊急事態の宣言が更に延長、学校は9月新学期スタートの話も出てきて、新コロナへの対応が長期化しそうな雰囲気になってきましたね。読者の皆さんも、この様な事態は想定していなかったし、この後も先が読めない状態で悩まれている方も多いのではないでしょうか?
いろいろなケースを想定して万全の策を打つにはどうすれば良いか?その答えは、当たり前かもしれませんが、網羅的にリスクを想定し、その回避策をしっかり考えておく事だと思います。
リスクというと、マイナス的なイメージを持つ方も多いと思いますが、この大きな変化の中ではプラス思考の考えに切り替えて取り組みましょう。以前、私は拙著の「製品開発は機能にばらして考えろ」(日刊工業新聞社) の中で投資顧問会社代表のピーター・バーンスタインが著書『リスク ― 神々への反逆』の中の印象的な文章を紹介しました。
その中では「リスク」は、イタリア語の『risicare』という言葉に由来し、この言葉は『勇気を持って試みる』という意味を持つと書かれており、更にその中には、「現在と過去との一線を画する画期的なアイデアはリスクの考え方」であるとも書かれています。
つまり、「リスク」とは元来受動的な意味はなく、能動的に未来を選択する意味を持つのだということです。これはTRIZの「逆転発想法」と通じる部分があって私は好きです。想定外の「リスク」に怯えて守りの姿勢になっていないで、勇気を持って未来を創る考え方で「リスク」を見ていきましょう。
それでは、具体的にどの様にリスクを想定し回避していくのか?ですが、その支援をさせて頂くのが、弊社の目的別課題解決プログラムの中の「リスク分析・回避プログラム」です。
これは、従来ののFMEAの考え方を更に進化させて、空間軸と時間軸の両面から多面的網羅的にリスクを考え、目的により優先度を設定して効率的に進めるプログラムです。空間軸と時間軸で考えるというと複雑で大変そうに見えますが、弊社では分析フローに従ったソフトウェアiQUAVIS IDEA Packageを使うことで、どなたでも短時間で漏れの無いリスク分析を可能にしています。
リスクには「安全リスク」と「品質リスク」に大別され、その目的によりアプローチ方法は下図の様に異なります。
現在の新コロナの状況に当てはめるなら、安全リスクは医療従事者のリスクを下げる手段として用います。例えば時間軸で、患者の搬送⇒待機⇒入院⇒治療⇒退院⇒自宅療養のような時間軸、病院の組織、病院の建物構造、病院の感染防止設備、ICUの設備構成の空間軸で捉えて空間時間両面から関連付けをしながらリスク分析ができます。
これを応用すれば最近移動が始まったホテルへの一時待機での対応にも使えます。また、今後感染がピークアウトして徐々に規制を緩めていく場合のリスク予測にも使うことができます。
一方、品質リスクは皆さん企業活動の製品品質、業務品質の維持のために使います。例えば、時間軸で資材搬入→生産工程→輸送→市場投入までのルート、営業活動やサービスの手順、顧客が製品を使う手順での品質リスクを分析し、空間軸では製品構成、設備構成、組織の体制の品質リスクを分析します。
この分析プログラムを使うと、このような時間軸、空間軸の分析が網羅的にできる上、ワークフローやワークシートで分析結果を表示できるため、関係者間の共有が容易になり、コミュニケーション・ロスを大幅に減らすことができます。しかも、ソフトウェアで作業ができますので、テレワークをしながら共同作業を効率的に進めることができます。
分析結果で出てきた大きなリスクについては、リスクを減らすための発想をTRIZに繋ぐこともできます。
皆さんも、これを機会に「現在と過去との一線を画する画期的なアイデア」を出して、「アグレッシブに未来を選択するリスク回避」をやってみませんか?
緒方@IDEA