突然ですが、問題です。 ”水槽で飼い慣らされた無気力なカマス”を活性化する起死回生の一手は? (後編)
こんにちは、IDEAの片桐です。
前回の問題は、
「水槽で飼い慣らされた無気力なカマスを活性化する起死回生の一手は?」
でしたが(下図)、皆さん納得する答えは見つかったでしょうか?
正解は「水槽に野生のカマスを投入する」でした。
投入された「野生のカマス」は、先入観を持たないので、目の前の小魚を本能のまま捕食します。それを見ていた「飼い慣らされたカマス」は、触発されたように本能に目覚め、目の前の小魚に突進します。そして、水槽の中はお祭りのように活気づく・・・といった具合です。
前回もお話しさせていただきましたが、人間は変化に対して無意識に抵抗心理(6階層)が働いてしまうので、これを打破して新しい手法を導入しようというのは正攻法ではなかなかうまくいきません。
【TOC(制約条件の理論)抵抗心理の6階層と、「飼い慣らされたカマス」の心理(笑)】
- 問題の存在に合意しない
→そもそも飼い主からもらうエサに満足している(問題と思っていない) - 問題解決の方向性に合意しない
→小魚を食べるより、エサの質、量を改善してもらった方が良いと思っている - 解決策が問題を解決できるとは思わない
→小魚を食べても不満が解消するとは思わない - 解決策を実行するとマイナスの影響が生じる
→もし小魚を食べると飼い主のヒンシュクを買う?水が汚れる???? - 解決策の実行を妨げる障害がある
→小魚を食べるには噛む力が弱くなっている(できない理由がある) - その結果起こる未知のことへの恐怖心
→小魚を捕捉して食べる新しい食生活に適応できるか不安
そこで登場するのが「野生のカマス作戦」です。
私が前職でQFD-TRIZ-タグチメソッドなどの体系的手法を取り入れ、製品開発プロセスを革新、意識改革をしよう!と取り組んだ際、実際にこの「野生のカマス作戦」を実践しました。
実践する上で一番問題なのが「野生のカマス」の調達です。
手法に精通した人材を他の企業から招へいするのは現実的ではないので、自前で準備する必要があります。そこで、現状の製品開発の仕組みややり方に不満を持つ(問題意識の高い)若手で、新しい事へのチャレンジ、リスクを厭わない「生きの良い」人材だけで「野生のカマス」チームを結成しました。
もちろん、導入する「体系的手法」の教育、ツール、環境を準備し、生き残るための武装をしなければなりません。そして、「野生のカマスチーム」は、外部コンサルタントの支援の下、先入観を排除して全く新しい製品の開発にあたってもらいました。
開発過程は山あり谷あり、大変な苦労もありましたが、結果は大成功!
ヒット商品を生み出したことにより、このプロセスの有効性は証明されました。
また、一連のプロセスを習得、実戦を経験したメンバーは、世間に通用する立派な「野生のカマス」に成長する事が出来たわけです。
皆さんがもし新しいことを組織に取り入れようとするならば、変化に対し無意識に働く6階層の抵抗心理と、「野生のカマス作戦」をイメージし、自ら「野生のカマス」となって変革にチャレンジしていただきたいと思います。
もちろん、支援は我々にお任せください。
片桐@アイデア
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