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TRIZ創始者のおしえ(第2回) 試行錯誤法からの脱却 その1

笠井肇


こんにちは、株式会社アイデアで講師を担当している笠井です。


今回は、アルトシュラーが学生たちに具体的な問題を提示しながら、一般的な問題解決の手続きを説明しているシーンをお伝えします。


それは試行錯誤法(Trial and error method)についてです。試行錯誤法だと時間がかかりすぎてしまうということを説いているのですが、それは多かれ少なかれ私たちも経験していることではないでしょうか。


『試行錯誤法(Trial and error method)』


場面は、アルトシュラーが学生たちに語りかけているところから始まります。アルトシュラーを“A”、学生を“S1、S2、S3、・・・”として、なるべく映像のイメージを再現してみたいと思います。では、


TRIZの創始者アルトシューラと学生たち



A 「つぎの問題を考えてみてもらいたい。
今、約600℃の高温ガスが化学反応炉から排出されているが、同時にそのガスは大量の埃を含んでいるため、埃を取り除かなければならない。

現状では、埃を除去する方法として特殊な金属フィルタが使われていて、そのフィルタはとても性能が良いために完全に埃を除去してくれるけれども、すぐに埃で詰まってしまうという問題がある。

さて、この問題をどう解決したらよいだろうか、君たちは問題の意味が分かるね? さあ、やってみよう!

君はどんなアイデアを思いつくかね? さあ、大胆に考えてごらん!」


S1 「・・・」


A 「誰か考えを言ってくれないか?」 と、アルトシューラーが幾度か問いかけたのちに、ひとりの学生が、


S2 「反対側からフィルタに風を吹きつけてはどうですか?」


A 「いいね、とてもいいね、それはひとつのアイデアだ。じゃあ、それを分析してみよう!」


S3 「空気の流れは、他に影響を及ぼしてしまうのでは?」


S4 「埃を電気的にチャージしてはどうですか?」


A 「うん、とてもいいね! では、それはどうすればできるかね?」


S1 「埃を湿らせてはどうでしょうか?」


A 「濡れた電気フィルタが考えられるね。それで?」


S1 「湿らせるために、蒸気を作ってそれを利用することはできるでしょう?」


A 「そうだ、600℃の高温ガスがあるからね! それは正しいね。ではどうやって私たちは蒸気で埃を湿らせることができるだろうか?」


S4 「油を使ってはどうでしょう?」


A 「油・・・、他には何かあるかな?」


A 「さて、今君たちは“試行錯誤法”によって問題を解こうとしている。その図式はこのように表わすことができる。

まずタスクがあって、それを行うフィールドがある。解はこのフィールドのどこかにあるけれども、どこにあるかは正確には分からないという状況だ。君たちはこのタスクの解を求めるためにいろいろ異なった方法を試している。初めはこの方向に、そして次は元に戻って別の方向に、それが解に行きつかないとまたタスクに戻る、という具合だ。ひとつのタスクを起点としているから、それぞれの方法をベクトルで表わすことができるね?」


試行錯誤法のイメージ


A 「もし、解に行き着くまで待ち続けることが許されるなら、何年もかけて試行錯誤を繰り返すことはできるだろう。そして、まれにこのやり方で創造的な発明につながったこともある。

そのような発明について映像に収めてあるので、今からそれを見てもらおう」


ということでアルトシュラーは、著名な発明家を含めて当時一般的に行われていた試行錯誤法を、具体的な事例(映像)で説明し始めます。
​​​​​​​それは、V・S・イェゴーロフという優れた発明家が、細い導線の巻取り装置を発明したときの道筋を記録したものですが、その具体的な内容は次回の私のコラムでご紹介します。


笠井@IDEA



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笠井 肇
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