
Patsnap Eureka|TRIZ(発明的問題解決理論)をもっと身近に! TRIZを日常的に活用するためのAIとの協働
こんにちは。
IDEAの鹿倉です。
TRIZ(発明的問題解決理論)は、技術的な課題を論理的に整理・分析し、先入観や過去の経験にとらわれずに多様な視点から新たなアイデアを導くことができる体系的な課題解決アプローチです。 特に従来技術の延長では突破が難しい課題に対して、TRIZは非常に有効な手法として多くの企業に導入されてきました。
しかし、その有効性が認められる一方で、TRIZの活用が現場に定着しきれていないという声も少なくありません。その背景にあるのが、いわゆる「工数の壁」です。
TRIZを本格的に実践するためには、課題を抽象化・構造化して本質を捉え、そこから本質的な背反問題や不足・有害な機能を整理し、アイデアを発想・統合していくという一連のプロセスが必要になります。これらには一定の時間と集中力を要します。しかし現実の開発現場では、日々の複数案件対応や納期との兼ね合いの中で、こうした「まとまった時間」を確保するのは容易ではありません。
そのため、TRIZの有効性は十分に認識しながらも、TRIZの活用は単発的な活動にとどまり、組織的な定着が進まない。私たちIDEAも、これまで多くの企業の皆さまとTRIZの活用に取り組んできました。しかし実際の現場に入り込むほど、TRIZ活用の前に立ちはだかるこの「工数の壁」の現実を痛感してきました。
では、どうすればTRIZをもっと現場の開発者が無理なく実践できる「現実解」にできるのか――。私たちは、この課題の解決に生成AIをどう活用できるかを模索してきました。そして「まさにこうすればTRIZをもっと”身近に使える日常的な開発支援ツール”にできる!」、そう実感できる方法に辿り着きました。
それが、R&Dに特化したAIソリューション「Patsnap Eureka(パットスナップ エウレカ)」を活用したAI協働型TRIZ実践モデルです。
Patsnap Eurekaを活用した「AI協働型のTRIZ実践モデル」
私たちが提供しているTRIZ課題解決プログラムでは、課題に取り組む対象範囲の検討から、問題の本質化(根本原因の分析)、解決アイデアの発想、アイデアを組み合わせ・ブラッシュアップして最終的な課題解決コンセプト(設計案)にまとめげるまでの一連の流れを体系化しています。
Patsnap Eurekaを活用した「AI協働型のモデル」では、このTRIZ課題解決プロセスの各段階はもちろん、そのプロセスの前工程に位置付けられる「他社の技術動向や既存の解決策の調査」、さらにTRIZで創出した「革新的な解決アイデアの実現性評価や技術的リスクの検討」といった後工程においても、作業の効率化と知見の補完を通じて開発者・技術者を強力に支援することができます(図1)。
図1:IDEA社のTRIZ課題解決プロセスのフローと、Patsnap Eureka AIとの協働モデル
初期段階での調査を大幅に効率化
たとえば初期段階での情報収集。市場動向、先行技術、特許情報、他社の取り組み、規制動向など、従来なら膨大な時間を要していた探索作業が、Eurekaを使えば圧倒的に短縮できます。AIがテーマ(課題)に関する膨大な文献・特許データベースを分析して洞察を提示してくれるので、開発者は大量の一次情報に埋もれることなく、議論すべき本質的な情報に早くたどり着けるようになります。
問題分析・アイデア創出・アイデア評価も支援
続く問題分析やアイデア創出のステップでも、Eurekaの支援は有効です。AIによるヌケモレのない分析支援や、着想を広げる提案の出力によって、開発者の発想が広がりやすい環境を整えてくれます。TRIZが本来得意とする「発想の視点の幅を広げる・多様化」をAIが側面支援するイメージです。
さらに私たちが重要だと考えているのは、解決アイデア・コンセプトを出した後の検討プロセスです。新たなアイデアの実現可能性や技術的リスクを評価するには、通常、多くの関係部門との調整や検討が必要でした。Eurekaはここでも、実現性評価(Solution Feasibility Analysis)やDFMEA支援機能により、リスクポイントの整理や早期検討を大きく効率化してくれます。
Patsnap EurekaのAIが、開発者のパートナーとなる
Patsnap Eurekaを活用することで、開発者は工数のかかる調査作業から解放されると共に、AIの提案力・分析力に触発されることで、TRIZ本来の「創造的思考」と「意思決定」という人間にしかできない部分に集中することができます。これこそが、私たちがAI協働型TRIZ実践モデルの中核と考えているポイントです。
高い目標を設定して課題に取り組む開発者にとって、TRIZは「特別な時間を作って取り組む」ものではなく、本来は日常的な開発活動の中で活きるべき手法です。生成AIの支援を得ることで、その理想にようやく現実味が帯びてきました。
私たちIDEAでは今後も、TRIZとPatsnap EurekaのAIとの協働による課題解決プロセスを、より現場で無理なく活用できる実践モデルとしてご提案していきます。TRIZ実践に立ちはだかる「工数の壁」を超え、日常の開発業務に自然に根付くスタイルの確立こそが、今後の大きな鍵になると考えています。
Patsnap Eurekaの製品サイト、ウェビナー、資料ダウンロードは下記リンクからご覧ください。またPatsnap Eurekaのデモ、トライアル(PoC)、その他のご相談はこちらからお気軽にお問合せください。
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