既に99%は解決ずみ
こんにちは、IDEAの前古です。
TRIZ(発明的問題解決理論)は、1946年にソビエト連邦の海軍特許審査官であったゲンリック・アルトシュラー(Genrich S.Altshuller、1926-1998)によって研究が開始された方法論であり、最終的に250万件にも及ぶといわれる特許の統計的分析に基づく問題解決技法として提唱される、問題解決のための科学的・体系的理論である。
技術問題解決におけるノウハウの塊である世界中の特許を徹底的に調べることにより、先人はどのように問題に対処してきたかを分析し、問題を解決するために考えるべき方向の規則性や共通性、また技術が進化していく上での普遍性などを体系的理論としてまとめたものである。
こういう説明をすると、ソビエト連邦の話?どれだけ昔の話なのだ?何だか難しそう?と思われるかもしれない。
確かに本当は複雑な理論によって構成されているのだが、つぎのように考えて見ればどうだろう。
要は、“問題解決をするために考えるべき方向の規則性や共通性を体系的にまとめた”、ものであると。
特許を調べに調べてわかったことは、一つ一つの特許は優秀な技術問題解決の事例であるが、特許の件数分だけ問題解決の方法があるわけではなく、“問題の種類”によって同じような考え方で解決していることがわかった。
つまり「この種類の問題である」と定義ができれば、“先人は今までこんな考え方をすることで解決の糸口を見つけてきた”と思考の方向やヒントを示せると言うことになる。先人の知恵を生かしたうえで新しい工夫をすることで、技術問題解決に向け、より早くそしてより高みに向けていく方法なのである。
250万件という膨大な特許を分析した結果、こんなことも言われている。
特別な1%未満を残して99%以上は人類にとって本当の意味での発見発明ではなく、既知の法則類を活用し自社の技術へ活用する、業種をまたぎ業界をもまたいだ、組み合わせの上での工夫であったりする。
今起きている問題の多くはあなたにとって初めてなだけで、人類においては初めてとはいえないことがより多い。つまり今、目の前に起きている問題の多くは、誰かが一度通ったはずの道だと思えばいいのである。
若手技術者が困っている会社にとって身近な問題であれば先輩に聞けばいい。難題であれば“あの人に聞け”のベテランに聞く。それでもだめなときは業界に投げかける、日本中に投げかける、世界中の技術者にもさかのぼって聞いてみればいい。
さて、どうやって?
世界中の先輩技術者をブレーンにするなら“TRIZに聞く”しかないのである。
人類の英知を最大限に活用するTRIZを使って思考の方向を定めた方が効率良く展開できる。当然、一から試行錯誤するより圧倒的に早くなる。限られた時間でより高みに行く検討が出来るのである。
こういう出来事(解決策)があったという事実に基づいて思考する。まさに、「データをして語らしめよ」である。
前古@IDEA