アイデアを発想する手順① 適切な技法を知れば、誰もが課題解決のアイデアを出せるようになる
こんにちは、IDEAの前古です。
弊社笠井が2月から3月にかけてコラムで連載している
「技術者のためのイラストレーション講座 ~基礎編~」が多くの方に読まれている。
絵を描くのが苦手な人も描画の技法を知ることで今よりもうまく描けるようになる、
描画法のイロハを知ることで「なるほど描けるようになった」となれる、
といった、うまく描くための”コツ”を知ってもらおうという面白いコラムでした。
私は この基礎編(1)~(5)を読んで思ったことがあります。
それは ”アイデアを発想すること”と共通しているということ、
上手になるにはコツがあるということです。
絵を描くというのは苦手な人と得意な人がいます。
得意な人は、描画法の基礎とか知らなくても上手に描けます。
遠近法の基礎とか知らなくても立体的に奥行きのある絵が違和感なく描ける。
言ってみれば、見たまま書ければちゃんとした立体になるので、
正しくデッサンできる能力ともいえます。
幼いころから誰に教えられたわけでもなく上手に描けてしまう人に限らず、
そもそも、遠くにあるものは小さく見えているし、
高いビルを見上げれば上を見るほど小さく見えるわけです。
正方形は正面から見れば正方形だけど、斜めからみるとひし形になる。
目ではひし形に見えているわけで、それをそのまま描けるかどうかということですね。
言い換えると、頭の中では誰もが”知っている”ということです。
上手に描けちゃう子は、何も下書きなく自然にきちんとかける才能が備わっている。
そこまでとはいかなくても、絵のバランスをとるため全体の外周の像を
簡単な直線何本かで形どってイメージを決め、詳細を書き込んでいく。
そうすると自然な絵になることを自分で気づいて描きはじめる子もいます。
ところが、幼い時に描く絵は大概の子が平面的な独特な絵を書くわけです(味のある絵かも?)
これは、案外大人になってもそのままだったりします・・・
つまり、苦手な子はそうはいかないわけでどこかバランスの悪い不自然な絵になったり、
絵を描くのを苦手と思うからそのうちに絵を描かなくなる。
上述紹介の笠井のコラムで、遠近法の技法を知ると立体的に描けるコツがあることを知る。
そうすると、簡単な絵であれば驚くほど上手に絵が描けるようになるのである。
つまり、苦手な子には”コツ”や技法が助けになる。
もっとも、得意な人には技法がいらないかと言えばそうでもなく、
一層上手に描くためには”基礎や応用”が助けになることは間違いない。
苦手な人・普通の人・得意な人といて、
どんな絵を何のためにどんなレベルまで描くのかによって
描画の基礎や応用は否応にも役に立つということである。
これは、アイデアを発想することも同じ気がします。
アイデアを出すことに関しても、苦手な人・普通の人・得意な人といて、
得意な人は新しいアイデアを次々思いつく。
苦手な人は一生懸命考えているつもりでも思いつかないのである。
そこで 普通の人や苦手な人がアイデアを出すための技法として
手順にまとめられたものがアイデア発想手法なのかと思う。
アイデアの出し方がわからないのだから
自然に思いついちゃうアイデアマンのロジックをTRIZが技法として手順化したのかと。
このコツをつかめば、
アイデアを出すことが苦手な人はアイデアが出せるようになり、
普通の人はアイデアマンといわれるようになれ、
もともと得意な人はスーパーマンになれるのである。
苦手な人がアイデアマンになったり、普通の人がスーパーマンになったりもするかもしれない。
IDEAの実テーマ解決コンサルティングを導入し、
TRIZを活用して開発テーマの課題解決に取り組んだ
あるクライアント企業の経営者は、成果報告の場で次のようにコメントしていた。
「我が社の主力製品はコモディティ化している。
誰もがコスト低減、効率化ばかり考えていて、自社製品のイノベーション、
付加価値を高めることに目が向いていないのが現状だった。
しかし今回〇〇のテーマに取り組んでみて、機会とやり方さえ与えられれば
我が社のエンジニアがこんなにも創造的になれることを知った」
その企業では、その後すぐに他の2つの開発テーマにTRIZのアプローチを横展開されていた。
アイデアを出すことが苦手な人、普通の人が、”本当に”アイデアマンになれるのである。
→ 後編「アイデアを発想する手順② TRIZは技術者の日常の課題解決のブレーンになる」を読む
前古@IDEA