アイデアを発想する手順② TRIZは技術者の日常の課題解決のブレーンになる
こんにちは、IDEAの前古です。
TRIZは、発明的問題解決の理論といわれるアイデア発想手法である。
「発明的」という言葉から、
とてもレベルの高い発想をするために使う方法という概念が強く浸透し、
いわゆる「難題」といわれる技術問題の解決に使うものといった広がり方をしてきた。
もちろん間違いではないし、そのような結果を多く残してきた。
TRIZを使うことで多くの特許を出すことができた、
新技術を創出しヒット商品を生み出せたなどである。
しかし、技術者はそのような難題にいつもTryしているのだろうか?
技術者が日ごろ悩んでいるのは、「大きな難題」ではなく、
もっと日常的な、しかしそれらを解決しなければ仕事が前に進まない
「小さな難題」とでも呼ぶべき問題の数々ではないだろうか?
であれば、もっと気軽に日常的にTRIZを活用したらどうだろう。
◇ ◇ ◇
TRIZの創始者のアルトシュラー氏がこう言っている。
”船乗りは、自分の航海で把握した岩礁や浅瀬を海図に記して、
後に続く船乗りたちに(進むべき道筋を)知らせることができる。
しかし、発明家は海図に相当するようなものを作らないので、
初心者たちは皆が同じような失敗を犯してしまう”
”初心者でも短時間で良い発明ができるような道筋を教えるべきだ。
そのためには創造性の術(すべ)が必要である”
◇ ◇ ◇
TRIZは、普通の技術者が素晴らしい発明をするための手順書・ヒント集である、
そんな理解で活用していくと、TRIZをもっと気楽に楽しく活用できるのかもしれない。
TRIZの使い道として、どんな技術問題にチャレンジするかで使い方も変わってくる。
TRIZの教えの中に「発明を5ランクに分類」という分析結果がある。
これは、250万件といわれる特許分析をした結果を表したもので、
同じ発明と言えど、レベル1から5の段階と種類があるということを示している。
レベルが1→5へと上がるにつれ解決の難易度は高くなるが、
今、我々がTryしている技術問題はどこに当てはまるのだろうか。
向かう場所によって、TRIZの使い方は異なるということである。
レべル2~4をTRIZが得意な問題としているが、
レベル1であっても解決スピードが速まる可能性もある。
レベル5に至ってはまったく新しいシステムの”発見”であり、
TRIZを活用しても解決が難しいかもしれない。
多くの技術問題は特許と言えどレベル1か2(全体の75%)なのである。
TRIZは、技術的な難題のためだけに必要な技法なのではなく、
技術者一人一人にとってのブレーンのように、
いつも傍にいて気軽に役に立てる方法なのかもしれない。
IDEAは、2021年に日本初のTRIZ支援ソフトウェア「IDEA-TRIZ Toolbox」を発表した。
「すべての技術者のデスクトップにTRIZというブレーンを」との思いを遂げるために開発した。
今、”IDEA-TRIZ Toolbox体験セミナ”が無料で毎月Web開催されているので、
皆さんも聴講してみてはどうでしょう。きっと有用な時間になるはずです。
→ 前回のコラム
「アイデアを発想する手順① 適切な技法を知れば、誰もが課題解決のアイデアを出せるようになる」を読む
前古@IDEA