空間軸と時間軸を身に着けて 『できる人』 を目指そう!(前編)~ 多面的に課題を深堀して本質を掴むアプローチ ~
こんにちは、IDEAの緒方です。
「仕事ができる人」の考え方の特徴を、最近いろいろな本やネットの記事で目にします。
この中の特徴の1つに「空間軸と時間軸の両方の視点で考えられる」ということが多く指摘されています。
例えば、取引先との交渉で、「仕事ができる人」は、「自分に求められていることは何なのか?」、「起きている事象の本質は何なのか?」を考え、自社と取引先との関係、自社関連部門への影響、他システムとの連携といった空間的な視点と、「なぜ今のような状態に至ったのか?」、「将来良くしていくには、今何をすべきか?」等の、過去・現在・未来の時間軸の視点を持つことで、眼前の見聞きする事象だけでなく、影響する空間と時間の全体像を把握しようします。
一方、「仕事ができない人」は、視野が狭くなりがちで、現時点での自分の利害でしか考えられないことが指摘されています。
また、調整能力に優れている人は、この「視野を広く持つ」能力に優れている人とも言われています。
このことは、皆さんが技術的な問題に対処する場合にも当てはまります。
例えば、製品で起きた不具合は、空間的に製品の部品構成から原因を考える場合と、時間的に顧客が製品を使うプロセスから原因を考える場合とを組み合わせることで、不具合がどの様にして起こるのかをより深く解析できます。
開発者は図面や製品に着目して顧客が使用する場面を見落としがちなので、この時間軸からのアプローチを合わせることで不具合への理解も深まります。
また、時間軸には 製品を製造する工程を加えることもできます。そうすることで、製造で起こる不具合も製品の構造面に問題がなかったかを考えることができます。反対に製品の不具合は、製造工程に起因していないかも検討できます。
さらにこのことを応用すると、組織(空間)と業務フロー(時間)から業務の問題を多面的に捉えることもできます。
ある企業では、製品のコストダウンを空間的な分析で行い、同時に関連する工程で時間のかかる工程の分析を行い、製品と製造工程の全体で大きなコスト削減を行いました。
また別の企業では、過去に起きた品質事故を例に組織や業務フローに潜むリスク分析を行い、リスク回避のための対策を講じて、事故の未然防止に取り組んだ例もあります。
さらに、現在複数の企業で取り組まれていますが、顧客が製品を使うプロセスを行動分析することで、顧客の潜在ニーズを探る方法が、最近の新たな商品企画のトレンドになりつつあります。
これら各企業の取り組み事例は、いずれも私たちIDEAが提供する「目的別の課題分析+商品企画、コストダウン、リスク回避プログラム」を使って取り組みまれ、課題の深堀りによって、表面的には見えない「気づき」を得て開発に効果的に活用した事例です。
これらの「目的別プログラム」に共通する課題分析では、「iQUAVIS-IDEA Package」という支援ソフトウェアを使うことにより、時間軸と空間軸の機能分析や、空間と時間の関係を定義することが容易にでき、空間軸と時間軸の多面的な分析を効率的に進めることができます。皆さんが直面する問題や課題が複雑であればあるほど、この空間軸と時間軸を使った多面的な課題分析は役に立つと思います。是非試してみてください。
次回は、TRIZの発想にも空間軸と時間軸を使う、9画面法の活用についてご紹介します。
緒方@IDEA
→目的別課題解決プログラム支援ソフトウェア iQUAVIS IDEA Packageについて読む
→TRIZを含むオリンパス流科学的アプローチの推進 ~全社的な開発力向上と事業貢献を目指した取り組み~
→コラム 「開発現場のリアルな「困った」を解決するシステマティック・アプローチ ~ “「機能」で考える”目的別課題解決プログラムと、支援ツールiQUAVIS IDEA Package ~」を読む
参考書籍
“「機能」で考える”目的別課題解決プログラムの内容に関連して、緒方の著書2冊が刊行されています。