将棋で6億手先を読むAI って何者?そのAIと共存する術とは?
こんにちは、IDEAの緒方です。
藤井聡太七段が17歳11か月の史上最年少で初タイトルを獲得したニュースは、将棋を知らない人たちの関心も集め日本中が沸きましたね。
更に驚いたのが、将棋ソフトの最強ソフト「水匠」の作者・杉村達也氏が棋聖戦の後に「藤井七段の58手目3一銀は、将棋ソフト(水匠2)に4億手読ませた段階では5番手にも挙がりませんが、6億手読ませると、突如最善手として現れる手だったようです」とツイートしたことです。6億手読んで初めて最善手と分かる手を藤井七段はわずか23分の考慮時間で指していたわけで、藤井七段の想像を超える凄さが伝わってきましたね。
それにしても6億手先を読むAIと聞いて、AIの時代がすぐそこまで来ていると思った読者も多いのではないでしょうか? 将棋の世界だけでなく、皆さんも車の自動運転や、無人のコンビニなど、AIやロボットに関するニュースを良く見聞きすることが多くなったと思います。特にこの数年はAIが急速に進化している様にも見えます。
反面AIによって将来は、現在ある様々な職業が奪われるかもしれないと言った話も出てきています。オックスフォード大学でAIの研究を行うチームが2013年に雇用の未来についての論文を発表しました。この論文では、今後10年〜20年の間に約47%の仕事が機械化されるという研究結果が示されています。これは、今ある仕事においてコンピューターやAIによって自動化できるものが約半数を占めているということです。
日本でも同じ様なことが報告されています。2015年に野村総合研究所が発表したデータでは、日本人の労働人口の約半分49%は、技術的にAIやロボットが代替できるという結果が出ています。「自分達や自分の子供達が、将来AIによって仕事が奪われるのでは?」と心配している読者も多いのではないでしょうか?
その様な中で新しいものを生み出す際には創造力が必要です。「今はまだ存在しないもの」をどれだけ脳内にイメージ出来るか?というのが実は未だAIにとっては難しいのです。
クリエイティブ・イノベーションとよく言うように、創造力はイノベーションを生み出します。イノベーションとは直訳すると“革新”ですけれども、そこには自らの現状を変えることで成長(=進化)していくという意味が込められています。「自らを変化させる」ためには現状を変化させるアイデアを、いかにして生み出していくかが大切なことなのです。
TRIZとは問題を解決する“アイデア”を効率よく発想するための方法論です。このアイデアを、先人の知恵を借りて、自分達の経験や知識とも結合しながら、効果的に生み出していくプロセスが、TRIZ なのです。
TRIZを「AIやロボットでは代替えすることができないスキルを磨いていこう!」との動きも注目されています。この動きは教育や企業の現場で活発になってきました。そのスキルの代表格として注目されているのが下記の3つのスキルです。
1.コミュニュケーション スキル(社交性)
2.人間を動かすスキル(リーダーシップ)
3.クリエイティブ・スキル(創造性)
これらの中でクリエイティビティ(創造性)を引き出すことができるのがTRIZです。身に着ければAIと共存していく道が開かれるかもしれませんね。
この様に素晴らしいTRIZなのですが、読者の中には、手法としては知っているが、上手く使いこなせない、効果を感じていない、と思われている方も多いのでは無いのでしょうか?
それはTRIZの素晴らしさを十分に引き出せていないとも言えます。筆者の経験ではTRIZを身に着けて有効に使うためには、TRIZの前段で如何に課題を把握して絞り込んで、TRIZの様々なプロセスと適合させるか?という「課題分析」のプロセスが最も重要と感じています。弊社ではその過程を効率的にサポートするためのソフトウェア「iQUAVIS-IDEA_PKG」も用意しています。
次回ではその「課題分析」についてもう少し詳しくお話していきたいと思います。
緒方@IDEA