TRIZの「40の発明原理」をやさしく解説: 第7話『入れ子原理』
こんにちは、IDEAのコンサルタントの笠井と片桐です。
「TRIZをやさしく解説」の連載7回目は、入れ子原理を紹介します。
『07 入れ子原理』
40の発明原理の中で入れ子原理(Nesting of Space Principle)は、33番目に利用頻度が高い発明原理になります。
この発明原理は空間を効果的に活用するための原理の1つで、物理的な空間を最大限に有効活用することで、システムやプロセスの複雑さを軽減し、効率性を向上させることを目指します。
具体的には、空間内の要素や構造物を適切に配置することで、スペースの有効活用を図ります。これにより、製品やシステムの機能やパフォーマンスを最大化し、物理的な制約や資源の制約に対処します。例えば、収納スペースを最大限に活用することで、製品のサイズを小さくし、物品の収納効率を高めることができます。
製造業では、工場のレイアウトや設備配置を最適化することで、生産性を向上させ、作業効率を高めることができます。また、建築業では、建物の設計や間取りを工夫することで、スペースの無駄をなくし、快適性や利便性を向上させることができます。
具体的な方法としては、以下のようなアプローチが考えられます
収納スペースの最適化: 物品や部品を効率的に収納するための方法を考えます。例えば、折りたたみ式の構造や、スタッキング可能なデザインなどが挙げられます。
レイアウトの最適化: 空間内の要素や機器の配置を工夫し、作業や移動の効率を高めます。例えば、最短距離や最適な配置を考慮したレイアウトを検討します。
多機能化: 1つのスペースや構造物に複数の機能を持たせることで、スペースの有効活用を図ります。例えば、折りたたみ式の家具や多機能型の機器などがあります。
模倣と変形: 自然界や他の分野の知恵を取り入れ、空間を効果的に活用するための新しいデザインやアプローチを模索します。
『入れ子原理』を使うときの発想の指針
物体を別の物体の中に入れ、その物体をまた別の物体の中に入れる。
ある部品が別の部品の空洞中を通過するようにする。
どのような矛盾に有効か
ここに示すような特性を向上させたいとき、あるいは何か別の特性を向上させようとするとここに示すような特性が悪化してしまうとき、入れ子原理は有用なアイデア発想の切り口(着眼点)になるでしょう。
22: エネルギー損失
システムのアウトプットに寄与しないエネルギーの消費
07: 移動物体の体積
移動する物体、移動できる物体が占める空間の体積、容積
03: 移動物体の長さ
移動する物体、移動できる物体の長さ、幅、厚さ、などの直線状の寸法
04: 静止物体の長さ
移動しない物体、固定された物体の長さ、幅、厚さ、などの直線状の寸法
06: 静止物体の面積
平面上の線で囲まれた部分の面積。物体により占有される面積、物体の表面積
《事例》IDEA-TRIZ Toolboxより
例えば、下記の2例は、入れ子原理から発想できるアイデアの例です。
発想のポイント
空間を分割し、階層構造として認識する。例えば、大規模な空間に小規模な空間を内包する場合などが考えられます。
機能や要素を整理する。対象システムにおける機能や要素を重みづけし、重要な機能や要素を最適な配置で組み合わせることが重要です。
組み合わせたシステムにおける機能や要素の重複を排除する。これによって、リソースの浪費を最小限に抑えながら、効率的な設計を実現します。
笠井・片桐@IDEA
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