
TRIZの「40の発明原理」をやさしく解説: 第10話『先取り作用原理』
こんにちは、IDEAのコンサルタントの笠井と片桐です。
「TRIZをやさしく解説」の連載10回目は、先取り作用 原理を紹介します。
(前回は「先取り反作用原理」でした。今回は「先取り作用原理」です)
『10 先取り作用原理』
40の発明原理の中で、先取り作用原理(Preliminary Action Principle)は2番目に利用頻度が高い発明原理になります。
この発明原理は、プロセスが始まる前に必要な変更をあらかじめ行うことを提案しています。この原理は、事前に準備を整えることで、プロセスの流れをスムーズにし、効率を向上させることを目指しています。具体的には、必要な操作を事前に実行したり、必要な条件をあらかじめ整えたりすることで、後続の作業を容易にします。
例としては、組み立てが必要な家具に予め穴を開けておくことで、顧客が簡単に組み立てられるようにする、またはスマートフォンのバッテリー残量が少なくなると事前に通知する機能などが挙げられます。これらの例では、事前に準備や通知を行うことで、ユーザーの手間を省くか、問題が発生する前に対処しています。
『先取り作用原理』を使うときの発想の指針
物体に対して必要な変更の一部またはすべてを事前に行う。
最も便利な場所から動作を遂行できるように物体を予め準備して、動作の遂行に無駄な時間がかからないようにする。
どのような矛盾に有効か
ここに示すような特性を向上させたいとき、あるいは何か別の特性を向上させようとするとここに示すような特性が悪化してしまうとき、先取り作用原理は有用なアイデア発想の切り口(着眼点)になるでしょう。
23: 物質損失
材料、物質、部品などの、部分的または完全な、一時的また は永久的な損失
39: 生産性
単位時間当たりに行われる機能または動作の数、スループット、出力、費用など
25: 時間損失
無駄時間、タイムラグなど、操作を行っても何ら応答がない時間を意味する
11: 応力または圧力
単位面積当たりの力。張力も含まれる。
27: 信頼性
耐用年数、耐久寿命、MTBF(平均故障間隔)など。
《事例》IDEA-TRIZ Toolboxより
例えば、下記の2例は、先取り作用原理から発想できるアイデアの例です。
発想のポイント
先取り作用原理を活用するためのポイントは、プロセス全体を見渡し、どの段階で行動を起こすことができるかを検討することです。これには、事前の準備、予防措置、または事前通知システムの設計などが含まれます。目標は、全体のプロセスをより効率的で滑らかにするために、潜在的な障害や遅延を事前に取り除くことです。
笠井・片桐@IDEA
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