
TRIZの「40の発明原理」をやさしく解説: 第9話『先取り反作用原理』
こんにちは、IDEAのコンサルタントの笠井と片桐です。
「TRIZをやさしく解説」の連載9回目は、先取り反作用 原理を紹介します。
『09 先取り反作用原理』
40の発明原理の中で、先取り反作用原理(Preliminary Anti-Action Principle)は39番目に利用頻度が高い発明原理になります。
この発明原理は、問題が発生する前に、その問題を防ぐための行動を事前に行うことを提案しています。潜在的な問題や困難を事前に予測し、それらに対処するための処置を講じることで、問題の発生を防ぎ、プロセスや製品の安全性と効率を向上させることを目的としています。
例えば、自動車のブラインドスポットモニターは、車線変更時の衝突を避けるために事前に警告を発するシステムです。これは、潜在的な危険を未然に防ぐための事前処置の一例です。また、壁の塗装前にマスキングテープを使用して家具への付着を防ぐことや、多階建ての建物の修理時に建物全体を覆うことも、先取り反作用原理に基づく実践例と言えます。さらに、PCにアンチウイルスソフトウェアをインストールしておくことも、有害な影響を制御するための事前処置として挙げられます。
これらの例からわかるように、この発明原理は様々な分野で潜在的な問題を未然に防ぐために利用されています。
『先取り反作用原理』を使うときの発想の指針
有用な効果と有害な影響を同時にもたらす動作を遂行する必要がある場合は、この動作を後で反作用に置き換えて、有害な影響を制御する必要がある。
物体中に予め応力を発生させておき、後に発生する不要な動作応力に対して対抗する。
どのような矛盾に有効か
ここに示すような特性を向上させたいとき、あるいは何か別の特性を向上させようとするとここに示すような特性が悪化してしまうとき、先取り反作用原理は有用なアイデア発想の切り口(着眼点)になるでしょう。
14: 強度
物体が力により変形してしまうことに抵抗できる度合い。壊れ難さ
08: 静止物体の体積
静止した物体が占める空間の体積、容積
07: 移動物体の体積
移動する物体が占める空間の体積、容積
03: 移動物体の長さ
移動する物体の長さ、幅、厚さ、などの直線状の寸法
02: 静止物体の重量
質量。物体を支持したり吊るしたりする時に働く力、物体が置いてある面にかかる力
《事例》IDEA-TRIZ Toolboxより
例えば、下記の2例は、先取り反作用原理から発想できるアイデアの例です。
発想のポイント
先取り反作用原理を活用する際は、予測と準備が鍵となります。潜在的な問題を前もって特定し、それらに対処するための具体的な方策を用意することで、製品開発の成功率を高めることができます。
笠井・片桐@IDEA
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