TRIZの「40の発明原理」をやさしく解説: 第6話『汎用性原理』
こんにちは、IDEAのコンサルタントの笠井と片桐です。
「TRIZをやさしく解説」の連載6回目は、汎用性原理を紹介します。
『06 汎用性原理』
40の発明原理の中で汎用性原理(Universality Principle)は、19番目に利用頻度が高い発明原理になります。
この発明原理は部品やオブジェクトが複数の機能を果たすように設計することを提案します。この原理の適用により、機能を一つのコンポーネントに統合することで、システムを単純化し、コストや複雑さを削減すると同時に有用性を高められる可能性があります。
以下に、汎用性の高いアイデアのいくつかの例を示します
- スマートフォン
スマートフォンは通話、メッセージング、写真撮影、ウェブ閲覧、音楽再生など、さまざまな機能を持っています。これにより、一つのデバイスで多くのことができるため、便利で汎用性が高いと言えます。
- 多機能キッチンツール
例えば、包丁と栓抜きが一体化したツールや、スプーンとフォークが組み合わさったツールなど、複数の機能を持つキッチン用具は、スペースとコストを節約できます。
- ユニバーサルリモコン
テレビ、エアコン、DVDプレーヤーなど、さまざまな家電を一つのリモコンで操作できるユニバーサルリモコンは、便利で汎用性が高いツールです。
『汎用性原理』を使うときの発想の指針
部品や物体に複数の機能を持たせ、他の部品の必要性をなくす。
どのような矛盾に有効か
ここに示すような特性を向上させたいとき、あるいは何か別の特性を向上させようとするとここに示すような特性が悪化してしまうとき、汎用性原理は有用なアイデア発想の切り口(着眼点)になるでしょう。
02: 静止物体の重量
質量。物体を支持したり吊るしたりする時に働く力、物体が置いてある面にかかる力。
28: 測定精度
システムの特性に対する測定値と実際の値の近似度。
07: 移動物体の体積
物体が占める空間の体積、容積。
19: 移動物体のエネルギー消費
システムの作動に必要なエネルギー、システムに供給されるエネルギーなど。
21: 出力
システムのアウトプットである仕事量、仕事率、パワー。
《事例》IDEA-TRIZ Toolboxより
例えば、下記の2例は、汎用性原理から発想できるアイデアの例です。
発想のポイント
汎用性原理を活用するうえでは、製品設計や技術開発段階で、多様なニーズや用途を考慮して柔軟性や拡張性を持たせることが重要です。
笠井・片桐@IDEA
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