チームで課題に取り組むときの「チームビルディング」のヒント
皆さん、こんんちは。
IDEAコンサルタントの桑原です。
“「機能」で考える”目的別課題解決プログラムは、対象となるエンジニアリングシステム(製品、要素技術、生産工程など)を構成部品やパラメータに分解し、それぞれの働きを「機能」として表現することで、自社技術や材料の新しい用途の探索、技術課題や品質問題の解決などを、合理的かつ効率よく進められることが大きな特徴です。
技術開発は、多くの場合、複数のメンバーでチームを作って実施します。
チームで問題解決に取り組むことで、参加メンバーが持っている知識経験や情報を集約し活用することができます。そしてそのために必要なるのが「チームビルディング」です。
チームビルディングは、課題の取り組み(プロジェクト)過程すべてを通じて気をつけていくべきですが、その中でもメンバーが集まった最初の段階は特に大切です。
わたしたちがクライアント企業でコンサルティングを実施するとき、チームには、いろいろな部署からメンバーが集まります。そこで大切にしたいことは「コミュニケーションの双方向性」と「心理的安全性の確保」です。
まずは、これがきちんとできれば、チームビルディングは半分以上成功したと言えるでしょう。
”「機能」で考える”目的別課題解決プログラムの
概要紹介動画はこちらから
“「機能」で考える”課題解決プログラムを活用したコンサルティングは、通常オンラインで開催しています。オンラインで進めることで、同一企業内でも離れた事業所からの参加も可能になり、取り組むテーマについての参加者の多様性をより高めやすくなるのが大きな利点です。一方でオンラインで進める上での大きな懸念が、チームの一体感づくりではないでしょうか。
ふりかえれば、オンラインミーティングは、コロナ禍での、ソーシャルディスタンスを確保するためのツールとして一般的に使用されるようになりました。初めは画面越しにミーティングをする行為に違和感を抱きながらも、時間とともに慣れて、日常的に使われるようになりました。
その後、コロナ禍の収束に伴って、リアルなミーティングの場は増えてきました。但しオンラインで行えるものはオンラインで十分だということが分かったので、いまでも一定数のミーティングやセミナーはオンラインで開催されています。IDEAでもクライアントの要望によりオンサイト・オンライン双方の対応をしていますが、コンサルティングプログラムのオンライン開催は、クライアントの今のニーズにもマッチしているようです。
ただ、オンライン環境はリアルな場と比べて、いわゆる「空気感」に関する情報がどうしても少なくなります。しかし、それは仕方がないことだと割り切って、参加ハードルの低さや移動時間・コストの低さというメリットを生かす方が合理的だと思います。
オンライン環境であっても「場の空気感」は参加メンバーで作り上げる。そのための方法として、「コミュニケーションの双方向性」を確保することが効果的なのです。
また、「心理的安全性の確保」とは、「何か言うと馬鹿にされ笑われるかもしれない」というチーム内の空気の支配をできるだけ低くするということです。そのためにも参加メンバー間の信頼と協力体制を築くことが必要です。それをすぐに作り上げることは難しいのですが、例えばあまりに当然のことで気恥ずかしく感じたとしても、基本的なルールとして、以下のような項目を明示しチームメンバーで共有することは実際に有効です。
図1 基本ルールの例
”「機能」で考える”目的別課題解決プログラムの
機能ベースの考え方とメリットを紹介する動画はこちらから
改めてチームビルディングについてまとめてみましょう。
わたしたちがコンサルティングを実施する際、チームは、テーマに取り組むクライアントのメンバーと、ゴールへ向けてアドバイスをするコンサルタント、そしてチームを管理サポートするチームリーダーで作られます。
図2 チームビルディングの影響因子
では、一緒に取り組むメンバーの意識を問題解決へ向けるためのポイントを4つほど整理してみましょう。
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メンバーが持っている良い情報と良くない情報をどちらも共有する
参加者は業務経験や開発経験、さらにはその商品の知識などいろいろな経験値を持っています。その中には自分では価値が低いと思っていた情報が、他の参加者にとってはとても有意義な情報になる可能性もあります。まずはそういういろいろな情報を出し合うことから始めるとチームがうまく始動しやすいです。
IDEAのコンサルティングでは、テーマのヒアリング時にメンバーが持っている様々な情報や経験を共有するための時間を十分にとって進めていきます。 ゴールを明確にして現在地を共有する
チームは問題解決プロジェクトです。必ず目標があり、その実現へ向けて進めていくものです。しかしそのゴールは、当初設定したものから変化する可能性もありますし、知らず知らずのうちに誤解が生じる可能性もあります。チームにおいては、常にゴールとそこへ向けた現在地(今の状態)を確認し、共有していくことが大切です。
IDEAのコンサルティングでは、毎回初めに前回の振り返りを行うと共に、最後に次回までにやることを明確にしています。
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メンバーの意識を白板やプロジェクターに集中させてコミュニケーションを効果的にする
メンバー間の顔を見ながらの議論は一見良さそうですが、意見が「空中戦」になってしまい、単なる意見交換会になってしまいがちです。ホワイトボードやプロジェクターを使い、そこにメンバーから出た意見を記録しながら進めることで、「誰が言ったか」ではなく「どんな意見か」にフォーカスしたコミュニケーションがしやすくなります。
“「機能」で考える”目的別課題解決プログラムでは、iQUAVIS IDEA Packageというツールを使ってコンサルティングを進めていきます。リアルに集まって実施する場合には、目の前にある白板やプロジェクターを活用すればよいのですが、オンラインの場合はメンバーのPCにコンサルタントのテキスト資料(PDF)やiQUAVISの画面が表示されているので、メンバーから出た意見は、それとは違う白板やプロジェクター画面に示しながら進めるとよいでしょう。 -
チームリーダーが役割を理解しリーダーシップを発揮する
チームメンバーとコンサルタントとをつなぐのがチームリーダーです。チームリーダーには、「チームを機能させてテーマの解決を実現する」役割と「組織メンバーの成長を促す」という2つの役割が求められています。実は、プロジェクトテーマの達成に最も大きな影響力を持っているのがチームリーダーなのです。事前の課題のすり合わせや、欠席者のフォローなど大変な役割ですが、とても大切な役割でもある事を理解して挑戦してほしいです。
図3 問題解決プロジェクトにおけるリーダーの役割
今回は、クライアントの課題解決へ向けて弊社がコンサルティングを行う際のチームビルディングのポイントについて書いてみました。皆様のご参考になれば幸いです。
桑原@アイデア
”「機能」で考える”目的別課題解決プログラムの
効率的な実践を支援するiQUAVIS IDEA Packageの紹介動画はこちらから