TRIZの「40の発明原理」をやさしく解説: 第4話『非対称原理』
こんにちは、IDEAのコンサルタントの笠井と片桐です。
「TRIZをやさしく解説」の連載4回目は、非対称原理を紹介します。
『04 非対称原理』
TRIZの40の発明原理の中で非対称原理(Asymmetry Principle)は、23番目に利用頻度が高い発明原理になります。
この発明原理は、システムや設計に不均衡、格差、または不規則性を意図的に導入または利用することを奨励しています。 適用できるいくつかの方法を次に示します。
- 幾何学的な非対称性:
パフォーマンスや機能を向上させるために、コンポーネントの外観や断面形状を非対称に変更すること。 - 材料の非対称性:
強度、柔軟性、導電性などの特性を強化するために、システムに異なる材料または組成を非対称的に導入します。 - 機能の非対称性:
特定の目的を達成するために、非対称な機能を備えたシステムまたはプロセスを設計すること。 たとえば、熱管理システムにおける非対称な加熱または冷却メカニズムです。 - 時間的な非対称性:
時間ベースの変動や非対称性を導入して、効率やパフォーマンスを最適化します。 これには、コンポーネントまたはプロセスの動作におけるタイミングの違いが含まれる可能性があります。 - エネルギーの非対称性:
エネルギー効率を向上させたり、特定のタスクを達成したりするために、エネルギー配分や利用方法を非対称的に変更すること。 - 情報の非対称性:
情報の可用性や処理を非対称的に変更し、競争上の優位性を獲得したり、意思決定プロセスを最適化したりすること。
『非対称原理』を使うときの発想の指針
物体の対称な形を非対称に変更する。
-
物体が非対称である場合は、非対称の度合いを強める
どのような矛盾に有効か
ここに示すような特性を向上させたいとき、あるいは何か別の特性を向上させようとするとここに示すような特性が悪化してしまうとき、非対称原理は有用なアイデア発想の切り口(着眼点)になるでしょう。
25: 時間損失
無駄時間、タイムラグなど、操作を行っても何ら応答がない時間を意味する
03: 移動物体の長さ
長さ、幅、厚さ、などの直線状の寸法。
12: 形状
システムの外形、外観。
33: 操作の容易性
大人数を要したり、多数のステップや特殊なツールが必要であるプロセス。
07: 移動物体の体積
物体が占める空間の体積、容積。
《事例》IDEA-TRIZ Toolboxより
例えば、下記の2例は、非対称原理から発想できるアイデアの例です。
発想のポイント
- 非対称化する切り口をたくさん持っていると、多面的な発想が可能になります。
- 対象とするシステムに対し、組成、外観形状、機能、プロセス、エネルギー、情報の処理、などに対称性があれば、非対称化を検討してみる事が大事です。これにより今まで考えられなかったようなアイデアが生まれる可能性が高まります。
笠井・片桐@IDEA
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