TRIZの「40の発明原理」をやさしく解説: 第3話『局所性質原理』
こんにちは、IDEAのコンサルタントの笠井と片桐です。
「TRIZをやさしく解説」の連載3回目は、局所性質原理を紹介します。
『03 局所性質原理』
TRIZの40の発明原理の中で局所性質原理(Local quality Principle)は、8番目に利用頻度が高い発明原理になります。
この原理は、システムや対象物の特定のパラメーターや特性を局所的に変化させることに焦点を当て、望ましい改善を達成するアプローチを提案しています。全体的な変更ではなく、特定の部分を変更することで、システムを最適化しようとするものです。
製品全体の重さに問題がある場合、この原理を適用すると、製品全体の重さを減らすのではなく、製品の特定の部品や構成要素の重さを軽減することに焦点を当てることが考えられます。例えば、
- 局所的な質量の増加:
特定の部分に質量を追加することで、安定性や慣性を向上させることができます。また、振動や振動の影響を軽減するのにも役立ちます。 - 局所的な質量の減少:
特定の部分から質量を取り除くことで、軽量化やエネルギー効率の向上が可能です。また、動きや操作の軽減にも寄与します。 - 局所的な質量の移動:
特定の部分の質量を別の場所に移動させることで、バランスや制御を改善することができます。これにより、機械の動きや性能に革新的な変化をもたらすことがあります。
『局所性質原理』を使うときの発想の指針
- 物体の均質な構成を不均質な構成に変更する。
均質な外部環境または外部の影響を不均質なものに変更する。 - 物体の各部分を、その物体の動作に最適な条件下で機能するようにする。
- 物体の各部分が、それぞれ別の有用な機能を遂行できるようにする。
どのような矛盾に有効か
ここに示すような特性を向上させたいとき、あるいは何か別の特性を向上させようとするとここに示すような特性が悪化してしまうとき、局所性質原理は有用なアイデア発想の切り口(着眼点)になるでしょう。
26: 物質の量
システムにおいて変えることのできる材料、物質、部品などの数または量。
14: 強度
物体が力により変形してしまうことに抵抗できる度合い。壊れ難さ。
15: 移動物体の動作時間
動作時間、持続時間、応答時間
27: 信頼性
耐用年数、耐久寿命、MTBF(平均故障間隔)など。
37: 検知と測定の困難度
品質特性を検出、測定するためにの複雑さ、費用、セットアップ時間、などの度合い。
《事例》IDEA-TRIZ Toolboxより
例えば、下記の2例は、局所性質原理から発想できるアイデアの例です。
発想のポイント
対象とするシステム、機能、要素、部品などの持つパラメーターを一通り局所的に変化させて発想してみることが重要です。これにより今まで考えられなかったようなアイデアが生まれる可能性が高まります。
笠井・片桐@IDEA
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