
Patsnap社の「Eureka」を紹介します| AIを活用した、R&D部門のためのイノベーションプラットフォーム
こんにちは、IDEA代表の前古です。
研究開発や技術開発の現場では、日々こんな問いに直面しているのではないでしょうか。
「次に取り組むべき研究テーマは何か?」
「技術課題をどう乗り越えるか?」
「アイデアは本当に実現可能か?リスクはないのか?」
「特許として出願できるか?競合に対して優位性はあるのか?」
こうした問いに向き合う研究者・エンジニアの皆さまを支援するために、私たちIDEAは、Patsnap社の知財・R&D特化型AIプラットフォーム「Patsnap Eureka(パットスナップ・エウレカ)」の提供を開始しました。
Patsnap Eurekaは、テーマ探索や技術動向調査、既存技術やニーズの分析にとどまらず、新しい課題解決アイデアの創出、実現可能性・リスク評価、特許出願の準備まで、研究開発の一連のプロセスを包括的にサポートします。
このコラムでは、Patsnap社の紹介とともに、EurekaがR&D業務にどのような変革をもたらすのか、実際の活用シーンや導入支援プログラムの内容まで、わかりやすくご紹介します。
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Patsnap社の紹介|創業の背景と使命
Patsnap(パットスナップ)社は、2007年にシンガポールで設立された、知財・R&Dインテリジェンス分野におけるグローバルリーダーです。AIを活用した特許情報分析と技術探索支援を通じて、世界中の企業のイノベーション創出を支えています。
創業者のジェフ・ティオン(Jeff Tiong)氏は、シンガポール国立大学に在学中、米国の医療機器メーカーでのインターンシップを通じて、次のような課題に気づきました。
「特許文書には、技術的に非常に価値の高い情報が詰まっている。
しかし、その法的で難解な表現が、現場の研究者やエンジニアにとって大きな障壁になっている。」
この課題を解決し、「特許情報をすべてのイノベーターにとって活用しやすいものにしたい」という想いから、ティオン氏は同じ大学の起業家プログラムに参加していたグウァン・ディアン(Guan Dian)氏とともに、Patsnapを共同創業しました。
現在、Patsnapのソリューションは、世界50カ国以上・1万社超の企業で導入されており、研究開発のスピードと成功確率を高める“知財・技術データ活用基盤”として広く支持されています。
これまでの主な顧客は知財部門でしたが、新たに登場した「Patsnap Eureka(エウレカ)」は、研究開発部門にフォーカスして設計されたAIソリューションです。
Eurekaは、研究開発の現場における「技術動向調査」「課題解決アイデアの創出」「技術実現性の評価」「特許出願支援」までを一貫してサポートし、現場のエンジニア・研究者の創造力と生産性を飛躍的に高めます。
Patsnap社 共同創業者 Guan Dian 氏へのインタビュー
(日経クロステック掲載)
シンガポール発ユニコーンが生み出した生成AI「Eureka」が、
研究開発をどう変えるか
特許は「課題解決の情報の宝庫」
研究者・エンジニアがその価値を活用できる時代へ
皆さんは、技術課題に取り組むときに「特許情報」をどれくらい活用しているでしょうか?
特許文書には、
- いつ、誰が、どんな課題に直面し
- なぜその課題が重要で、どのような方法で解決し
- その発明のどこに新規性や独自性があるのか
といった内容が詳細に記録されています。
それはつまり、世界中の研究者や技術者が蓄積してきた課題解決の知見とアイデアが、分野を超えて一望できる“公開ナレッジ”であるということ。まさに、特許は「課題解決ノウハウの宝庫」と言える存在です。
しかし一方で、
特許文書は「法的要件」に基づいて記述されており、文章も構成も専門的で複雑です。
──忙しい現場の開発者が
「時間もないし、正直あの文書は読みづらい」
「もっとダイレクトに技術的なヒントや類似事例が知りたい」
と感じるのは、決して不思議なことではありません。
そんな“もどかしさ”を感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。
Patsnap Eureka:課題解決知見を引き出すAIパートナー
特許が「情報の宝庫」であるなら、
それを自在に、直感的に活用できる道具が必要です。
そこで登場するのが、知財・技術文献を理解するAIソリューション「Patsnap Eureka(エウレカ)」です。
Eurekaは、特許文書や技術文献に含まれる課題解決知見を、
- 検索に頼らず対話的に引き出し
- 背景分析や技術動向とともに整理し
- 実現可能性や知財化までを見据えて活用
できるよう設計されています。
情報収集、技術トレンドの把握、技術課題の分析、アイデアの創出、そして知財化の判断まで。研究者やエンジニアが日々向き合うコア業務を、Eurekaは効率的かつ創造的に支援します。
読みづらい特許をただ“読む”のではなく、
必要な知見を、AIとともに“使いこなす”時代へ。
Patsnap Eurekaは、R&Dの思考と行動を大きく変える可能性を持った、革新的なAIパートナーです。
Patsnap Eureka|その特長は? 一般的なAIとはここが違う
ここまでで、特許や技術文献が持つ“課題解決の知見”をどう活かすかが、イノベーションの鍵であることを見てきました。
では、Patsnap Eurekaは実際にどのような仕組みで、それを可能にしているのでしょうか?
Patsnap Eurekaは、世界170か国以上の2億件の特許データと2億件の技術文献を中心に学習した、Patsnap独自の「知財・R&D特化型の大規模言語モデル(LLM)」を基盤に構築されています。
この専門LLMを土台に、研究開発業務を理解し、各タスクを支援するAIエージェント群が連携する形で構成されています。
Patsnap Eurekaは、単なる検索ツールでも、一般的な生成AIでもありません。
研究開発者の仕事そのものを理解し、知財・技術情報をもとに伴走する“AIパートナー”です。
R&DワークフローとPatsnap Eureka
Patsnap Eurekaの特長(4つのポイント)
- R&D業務に特化した専門性と信頼性
膨大な知財・技術データに基づくLLMにより、
専門性の高いタスクにも適した回答・分析・提案が可能。誤答(ハルシネーション)や曖昧さを最小限に抑えます。
- 特許・文献とのシームレスな連携
AIが出力する回答や分析には、必ず出典となる特許や文献へのリンクが付与されます。
いつでも根拠にアクセスできるため、透明性のある意思決定が可能です。
- セキュアな利用設計
入力した情報がAIの学習に使われることはなく、
機密性の高い情報も安心して扱える設計。R&D部門や知財部門での本格運用に対応します。
- 「やりたいこと」をシンプルに実現
使う人がAIに合わせる必要はありません。
目的別に用意されたAIエージェントが、研究者・エンジニアの“やりたいこと”に寄り添って動きます。
Eurekaは、“調べるAI”ではなく、“考え、提案するAI”
R&Dのワークフローに沿って用意されたEurekaのAIエージェント群を対話的に使って行けば、例えば、ある技術課題について、
- 関連する技術背景
- 類似事例や既存特許
- 課題構造の分析
- 新たな解決策の候補
- 実現可能性や知財性の評価
までを、一連の思考プロセスとして整理しながら進めていくことができます。
それはまるで、その分野の深い専門知識を持ったエンジニアや知財戦略アドバイザーが、ユーザーのそばで協働しているような体験です。
Patsnap Eureka|R&Dの現場での具体的な活用シーンは?
テーマ探索:技術課題を“見つける”とき
新たな研究・技術開発のテーマに着手する際、皆さんはどのようにそのテーマの「妥当性」や「期待値」を評価していますか?
たとえば──
「生分解性材料の改質に取り組む」
「商業施設向けに開発したエアカーテン技術を、別の業界・製品へ転用する」
といったテーマ設定を行う場合、私たちはまず「その技術の現在地」を把握する必要があります。市場ニーズ、既存の課題、技術進化のトレンド、競合企業や規制動向など、さまざまな観点から技術動向を調査するのが一般的です。
しかし、従来の手法(特許・文献検索、インターネット調査、外部調査会社の利用など)は、時間やコストがかかり、中途半端な調査に終わってしまうことも少なくありません。
そこで活躍するのが、Eurekaの「Quick Research(技術予備調査)」です。
AIと対話しながら簡単な条件を入力するだけで、わずか数分で高品質な予備調査レポートを作成。その技術分野に関する“土地勘”を素早く獲得できます。
さらに「Technical Q&A」エージェントを使えば、
- 生分解性材料の強度向上に関する既存技術の比較分析
- 生分解速度に影響を与える因子の構造的理解
のような専門的な質問にも即座に対応。すべての回答には特許や文献の出典リンクが付いており、信頼性の高い調査が、短時間で完結します。
Eurekaを活用すれば、有望なテーマの発掘・選定を、より迅速かつ確実に行うことが可能です。
アイデア創出:課題を“解く”とき
技術課題に対して、どのようなアプローチが最適か──
そのヒントを得るために「Technical Q&A」で既存解決策を探ることができますが、Eurekaの真価はそれだけにとどまりません。
「Find Solutions」エージェントを使えば、
TRIZ(発明的問題解決理論)やRCA(根本原因分析)に基づいたAIとの対話を通じて、まったく新しい発想で解決策のアイデアを得ることができます。
たとえば、課題の定義や制約条件、これまでの試行錯誤の履歴を入力すると、
- 原因と結果の分析
- 技術的背反の特定
- 機能や構造の分解と相互作用
といった高度な分析プロセスを経て、AIが新しい解決策を提案してくれます。
アイデアには、
- アイデアがどのような技術原理に基づいているか
- 応用事例や成熟度
- 実現に向けた課題やリスク
- 根拠となる特許・文献の引用
といった情報も付与されており、インスピレーションと根拠を同時に得られる画期的な発想支援ツールです。Eurekaは、単なる「検索AI」ではなく、共に考えるアイデアパートナーとして、ブレークスルーを支援します。
こちらの記事では、
TRIZ理論に基づく革新的課題解決をもっと身近にするEurekaの活用について
より詳しく紹介しています
実現と知財化:アイデアを“形にする”とき
革新的なアイデアが生まれても、
「実現の見通しが立たない」「知財として保護できるのか不安」
──そんな理由で開発が止まってしまうことも少なくありません。
そこでEurekaは、「実現可能性評価」「リスク評価」「知財化支援」までをAIがサポートします。
実現性・リスクを評価する
- 「Solution Feasibility Analysis」では、アイデアの構造を分析し、過去の知見と照合しながら、技術的実現性をAIが評価。
- 「D-FMEA Assistant」では、FMEA(故障モード影響解析)の観点から品質・信頼性・安全性のリスクを予測します。
知財化でアイデアを守る
- 「Idea Validation」は、入力したアイデアの類似特許を自動検索し、新規性・侵害リスク・迂回策を検討するための着眼点の提案まで対応。
- 「Invention Disclosure」では、発明開示書のドラフトをAIが自動生成し、開示業務の負担を軽減します。
Eurekaは、研究開発の“すべてのステージ”を支援します
- テーマ探索:取り組むべき技術領域の選定
- アイデア創出:課題に対する新たな解決策の構築
- 実現性評価:アイデアの技術的妥当性とリスクの検討
- 知財化:知的財産としての保護と他社回避策の検討
これら一連のプロセスを、スピーディかつ創造的に推進するAIパートナー、それがPatsnap Eurekaです。
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IDEAの「伴走型導入支援プログラム」
私たちIDEAは、2003年の創業以来、QFD・TRIZ・タグチメソッドなどの体系的な技術開発手法をベースに、これまで数百社・1,000件を超える技術・製品開発プロジェクトに携わってきました。
Patsnap Eurekaの導入にあたっては、単にツールをお届けするだけではなく、「研究者・エンジニアが楽しく使いたくなる、使ってワクワクする」、そんな活用体験を提供したいと考えています。
これまで多くの企業のイノベーション創出や技術課題の解決に伴走してきた私たちの知見と経験を活かし、Eurekaを導入する企業が確実に導入効果を実感できるよう、実践的な支援プログラムをご用意しています。
単なる初期トレーニングでは終わらない、伴走型の支援
IDEAの導入支援は、初期設定や操作説明にとどまりません。
「導入 → 展開 → 定着」まで、研究開発業務に組み込むまでを視野に入れた“継続支援”を行います。
- 実際のテーマを題材としたワークショップの開催
- 定期的な活用レビューと改善アドバイス
- 導入効果の可視化・社内展開サポート
など、ユーザー企業の「現場での活用」が自然に根づくよう、私たちがともに並走します。
「Patsnap Eurekaを使って、研究開発の進め方そのものをアップデートしたい」
「技術テーマの探索から知財化までを、もっと早く・確実に・創造的に進めたい」
そんな想いを持つ企業の皆さまと、共に挑戦できることを楽しみにしています。
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株式会社アイデア 代表取締役社長 前古 護
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